新年もすでに一カ月が過ぎようとしています。
子供とセラピーをすると、
早く大人になりたいとうずうずして待ち焦がれている、
そんなエネルギーを感じることがありますが、
大人になると子供と同じ時間が与えられているはずなのに、
なんだかあっという間に一日、一カ月、一年が終わってしまった
と感じてしまうのも、時間感覚のずれですよね。
今回はセラピールームでふと感じたことをお話ししたいと思います。
現在、私は同棲されている20代のカップルのセラピーに携わっています。
そこで度々気づかされることは、
恋愛関係をはじめ、他人との関係での悩みは、
実は自分自身とどう向き合っているか、という姿勢が原因だということです。
私たち心理療法士のお仕事は、
クライアントさんに悩みごとの答えをお知らせするのではなく、
クライアントさん自身が自分を見つめる直し、
自分で選択する決断力を高めていくお手伝いをすることです。
簡単に言うと、クライアントさんのミラーになってあげるイメージですね。
自分で自分をみつめる機会を作ってあげるのです。
この二人がセラピーに駆け込んだのも、
長年の関係の中でどうしても意思疎通がうまくいかず、すぐ喧嘩になってしまい、
挙句の果てにお互いの気持ちを傷つけてしまうというものでした。
どのように世の中が回っているのかを図る定規は、
自分のこれまでの経験を通して学んだ知識に頼るほかないのですが、
それと同様に他人も独自の経験に基づき、
主観的にものを見て対人関係を築いているということを
私たちは忘れがちです。
人間関係における目標は、
これまでの人生学習で確立してしまった自分の習慣や癖、
心理学にある防衛機制(Defense Mechanism)への理解を深め、
いかに対人関係において妨げになるものを捨て去るかにあると思います。
対人関係には心の健康が不可欠です。
心の状態をチェックするためのカウンセリングは、
体の健康管理と同じくらい大切なものであり、
もっと多くの人が利用できるサービスとして
日本の社会に普及する日を願うばかりです。
みなさんの心の健康はどうでしょうか。
心の貯金箱はどれくらい満たされているでしょうか。
外的な報酬だけでなく、無形なものへの価値がどれほどありますか?