中学、高校と学校の成績は下から数えるぐらいひどかったのですが、英語だけはそこそこでした。 といっても本当に人並みで、中学のころはその英語すら平均的な成績。 だから他の教科に比べては相対的に満足していたという程度ですね。
唯一、英語は嫌いな教科ではありませんでした。 漠然とできるようになりたいと思っていたのは、小さいころからアメリカ大リーグが好きなことが理由だったと思います。 中学生の時から小遣いが貯まる度に、大リーグ関連の洋書を買っていました。 もちろん読めやしないので、家でにらめっこするだけ。 それでもいつもワクワクして、そこに書いてある記事が読解できるなら、どんなにいいだろうといつも思っていました。 当時の大リーグは今と違って日本人選手もいなかったですし、衛星放送もインターネットもなかったので、情報なんてほとんど入ってきませんでした。 だから、現地の出版物を取り寄せる以外に詳しい情報を得られなかったんです。 今でこそ、日本にいながら大リーグの情報を得るのに苦労しませんが、それでも本場の情報量と比べると未だ天文学的な差があります。その現地の「生の情報」にアクセスできるようになりたいっていうのが、英語を勉強する大きなモチベーションになっていたのでしょう。
今でも大リーグに関する英文の本はよく読みます。 アメリカの場合、さすがに本場だけあって、いわゆる「野球ライティング」の分野が確立されています。 そのため、とても面白い! 単なる薄っぺらな野球情報じゃなくて、文学の域に達しているような深い本がいくらでもあります。そういった本にはまってしまうと、大リーグを単なるスポーツではなく、文化的、社会学的な見地からも楽しめるような幅ができるわけです。 その域に達するためには、それなりの「英語力」がどうしても必要になってしまいます。 自分の場合は、英語を学ぶことは趣味の為であったので、かなりモチベーションを高く維持してこれましたが。
英語を学ぶこと自体が目的ではなく、身につけた英語力を何に使うのか、つまり英語を手段だと考えないと楽しみは広がらないと思います。 サンディエゴに留学して実感したのは、いろんな国から人が集まってくるため、多種多様なバックグランドを持った人と知り合うことができました。これは留学の醍醐味のひとつです 。英語はそういう人たちをよく知る為のコミュニケーションの道具にすぎないということです。 だからこそ、肩肘はらずにリラックスして楽しみながら、学んでいくのが大事だと思います。
「英語は手段だよ」って話しをすると、「あたりまえじゃない」っていう人が多いのですが、これは非常に大切な部分です。
まず、面白いのは、日本の一流と呼ばれる大学の在学生や出身者に限って、その違いが曖昧な人が多いということです。 一流大学を受験するには英単語だけでも一万語ぐらい暗記しないといけないですし、和訳のテクニックや、あまつさえ出題者の意図を読み取ってそれに沿った解答の仕方も覚えないといけない。 これらの英語本来の面白さと全く関係ない部分に、勉強時間をさかないといけなかったのです。そういうことに血道をあげてきた人たちに、「英語は世界を知るための手段にすぎないんだよ」と言っても、理解しにくいのだと思います。
一流大学に通っている人が、仮に留学した場合、英語の上達は比較的早いものです。 やっぱりそういった高いポテンシャルを持っていることは、留学カウンセラーをやっている立場上よくわかります。 だからこそ、受験英語だけを経験して、英語本来の楽しさに触れないまま、英語から離れていく人はかわいそうであり、もったいないと思います。
もう一点、これは日本の英語教育のせいかどうかは分かりませんが、「英語なんか大嫌い、英単語を見るのも嫌だ」っていう人が、周りに必ず何人かいませんか? 本来、英語(外国語)を習得することは学問ではないと思うので、机に向かって徹夜でガリ勉ではなく、楽しみながら学ぶことが許されてよいと思います。 その環境作りを日本の教育現場が提供することができないのであったら、それを提供してくれる場所で楽しく学べばいいだけの話しです。 英語塾なんかそういった受け皿として、子供たちの役に立ってほしいと思いますし、自分も留学カウンセラーとして、英語を学ぶモチベーションや楽しさなどを、留学希望者にどんどん提案していきたいと思っています。
私の勤め先は大手旅行会社が媒体なので、旅行感覚で2~3週間語学を学びに行くお客様も、大学生を中心にたくさんいます。短い期間でも現地でたくさんの友達を作ったり、ホームステイ先を通して現地のライフスタイルや異文化を学んだり、学校のアクティビティに参加して有意義な体験ができますので、そういった“プチ留学的”体験のお手伝いも提供したいと思っています。