ひとりの学習者としてあらゆる観点から英会話を研究・分析して作った教材
池田 和弘 先生

20世紀末から21世紀にかけて、英語学習の流れは大きく変わろうとしている。日本人にとって、国内で英語を習得することは容易ではない。しかし、そのプロセスを万人に優しく、学びやすく、効果のあるものにすることは可能だと池田和弘はいう。常に、学習者を勇気づける英語教育の実現を目指している。

これまでの英会話教材との違いは何ですか。

もっとも根本的な違いは、英会話を「聞くこと」と「話すこと」に分けている点です。

どうして「聞くこと」と「話すこと」に分けるのですか。

会話のとき、ネイティブスピーカーは相手がだれであろうと、容赦のない速さ・長さの英文で話してきます。初心者だからといって手加減しないのが普通です。これに対応するには、「ネイティブの英語」を基準にして聞き取りのトレーニングをする必要があります。ところが、話すことについてはまったく逆で、「ネイティブのように」などというのは非現実的で、徹底的にシンプルで実用的な英文に絞って練習しないと話せるようにはなりません。

「聞くこと」と「話すこと」に分けるということ、異なる練習が必要だということですか。

その通りです。これまでは“英会話”はひとくくりにされていました。しかし、よく分析するとじつは「2つの異なる能力」からなっており、それぞれに適したトレーニングを行わないと学習効果が上がらないのです。

「聞くこと」と「話すこと」を分けると学習効率が悪くならないでしょうか。

それは、大切な点で、どういう素材をどう使うかによります。「聞くこと」と「話すこと」は別のものですので、異なるトレーニングが必要ですが、だからと言って素材まで違うものを使うと、確かに効率が悪くなります。しかし、基本を聞くトレーニングにおいて、ネイティブが話すような英語を扱い、その中から短くてシンプルな英文、またはそうなるようにきれいに整えた英文を使って話す練習をすると、むしろ相乗効果が出て学習効率が上がります。

では、「聞くこと」に適したトレーニングというのはどのようなものですか。

高速で話されるナチュラルな英文を、分解してしっかりと理解し、頭から(つまり聞き取った順序で)理解できるようにすることです。このためには、まずナチュラルスピードの英語の速度を落としてスローにします。しかし、単にスローにするだけでは音が引き延ばされてくっつくような感じになるため、単語をひとつひとつ区別して聞き取れません。そこで、リッスントークでは区切りを意識した音声を収録し、英語を確実につかめるようにしています。

他に何か特徴がありますか。

あります。単に音声に工夫を加えるだけでは、肝心の「意味」がつかめません。そこで、区切った音声のあとに訳を入れます。このようにすると、音声を確実にとらえつつ、その意味を英語の順序で理解できるようになります。このような仕組みで練習をすると、(当たり前ですが)ナチュラルスピードの自然な英語を驚くほど心地よく聞き取り、意味が理解できるようになります。

つぎに、「話すこと」に適したトレーニングとはどうのようなものですか。

ズバリ、日本語から英語への瞬間的な通訳練習です。聞く練習では、「英語⇒日本語」の語順ですが、話す練習では「日本語⇒英語」の語順が効果的なのです。

「話す」練習で日本語を先に置くのはなぜですか。

学習のはじめの段階では私たちの頭の中にはわずかな英文しかインプットされていません。そのため、英文はほとんど何のつながりもなく頭の中で漂っているような状態になり、使いたいときに瞬時に適切な英文を引き出せないのです。ところが、日本語⇒英語の順序にしておくと、「これを言いたい!」と思った瞬間に言いたい英文を引き出せるようになります。しかし、引き出すだけでは、しっかりと発音することができないため、「聞く」練習と同じような音声を使って、単語をひとつひとつしっかりと発音するようにトレーニングします。

ところで、英語の速度についてですが、はじめに1.5倍速や2倍速の英語を聴いておいて、その後に普通の速度の英語を聴くという方法はどうなのでしょうか。

そのようなトレーニングにも有効性はあります。でも、ここにはひとつ重要な条件があって、そもそも「元の英語」がしっかりと理解できていないと、まったく意味がありません。

スマートフォンやICレコーダーで速度を落としてから、少しずつ速くするという方法はどうでしょうか。

この方法は、いきなり倍速などの英語を聴くよりははるかに有効性が高いです。しかし、ネイティブが普通に話す英語は音の強弱が大きく、音がつながっていることも多いため、速度を落としたにしてもはっきりと聞き取れないことが良くあります。リッスントークの「超スローリスニング」はこの点に配慮をした音声なのです。

ところで、よく言われる「英語の回路」というのはあるのでしょうか。

「英語の回路」は有ります。これが無いと英語を話せるようにはなりません。ただ、誤解されている点があります。それは日本語との関係です。日本語は私たちの行動・思考・感覚のすべてと深く関わっています。そのため、後から学ぶことによって出来る「英語の回路」は、「純粋な英語の回路」ではありません。あくまでも日本語の回路の上に作られた「仮想的な英語の回路」です。ですから、リッスントークでは、日本語を最大限に活用して、この回路を効果的に作ることができるように考えられています。

「英語を英語で学ぶ方法」はどうなのでしょうか。

たとえば、留学のような「徹底的に日本語のない環境」で学ぶ場合には効果的です。しかし、学校では英語を使っているけれども日常生活では英語を使っていないといったような環境の場合には、うまくいきません。このようなケース(日本の英語学習者の大半)の場合には、「できるだけ日本語を活用する方法」の方がはるかに有効です。たとえば、単語の学習ひとつとっても、和文をうまく利用すると、軽く取り組んでも100語/週(400 語/月)は覚えることができます。また、リーディングにおいても、はじめに和訳を読んでおくようにすると、英文をつかむ速さ、深さがまるで違ってきます。これとまったく同じことが英会話の勉強にも当てはまるのです。

最後にリッスントークについて何かおっしゃりたいことはありますか。

私は、日本国内で英語を勉強しました。海外に住んだり、留学したりして自然に英語を身に付けた訳ではありません。ですから、皆さんと同じような苦労をしてきています。リッスントークはそんな私が、ひとりの「学習者」として、あらゆる観点から英会話を研究・分析して作った教材ですので、きっと多くの人たちの励みになると信じています。

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