英語を話せる事は全世界の人々とコミュニケーションが取れるということ

F.M.さん(元客室乗務員、主婦)

高校3年生の時、アメリカ、ミズーリ州の高校へ編入。 1年留学した後、日本へ帰国し、関西学院大学 総合政策学部 総合政策学科を卒業。  大手航空会社に入社し、客室乗務員として4年半活躍。  現在は退職し、二児の母。

私が英語を勉強し始めたのは、皆と同じで、中学校に入学してからです。 ただし、旅行好きな両親だったので、小さい頃から海外に行く機会が多く、英語を聞く機会は多かったかもしれません。 姉が留学していたこともあって、私も中学2年生の冬にニュージーランド に2週間、語学研修に行ったけれど、日本人のグループ10人程で参加したので殆ど意味が無かったと思っています。もちろん、英語は全く上達せずに帰って来ました。
そして、そのまま高校に進学して、特に何も考えずに生活していましたが、このままでは私が何の夢も持たず、将来の幅が広がらないだろうと両親が苦慮して、アメリカに留学する事を薦めてきました。 私自身も生活を変えたかったのもあって 、高校3年生の夏から1年間の留学を決意しました。 周りの同級生より日本の高校の卒業が1年遅れるけれど、そんな事よりも大事な経験だと思い決断しました。 今となっては、私の人生を変える第一歩だったと思っています。 助言をくれた両親に感謝しています。

特に英語の成績が良かった訳でも無いのに、いきなりアメリカの高校に編入したので、そりゃあもう大変でした。 英語が全く分らず、授業について行くどころの話ではありませんでした。 最初に私がしたのは、授業をテープレコーダーで録音して、家に帰って何度も聞きなおすことです。 それを毎日繰り返して耳を慣らしていき、その科目や授業でよく使う単語や 言い回しを学んでいきました。 早く頭の中を英語で一杯にする為に、学校行事には必ず参加しました。それから日本への電話は1年間1度もしませんでした。

聞き取りが出来るようになってからは、人の話を聞くのが楽しくて仕方なくなりました。 そして、次の課題は自分の気持ちをどう表現するかでした。 会話の中で相手が使っていた単語や言い回しを真似して回答していくと、ドンドン話が盛り上がっていき、充実感でいっぱいになっていきました。

いつの間にか、英語を使う方が、自分の本当の気持ちをストレートに表現したり、自分らしく振舞える様になっていきました。 日本語には無い微妙なニュアンスを表現するにはぴったりな言語だと気づきました。 そして、英語を多少なりとも自由に使えるようになったら、今度は英語を使って他の分野の勉強をしたくなり、大学では国際関係や国際政策を学びました。

大学在学中は休みの都度、旅に出ました。 英語を身に付けた事は自分の自信にも繋がっていたので、怖さは全くありませんでした。 むしろ、もっと色んな人と出会って話がしたいという気持ちが強かったのです。 そうして、今までに35カ国を旅し、色んな国の人と接して、価値観の違いや文化の違いを肌で感じてきました。 そうする事で偏見を持たずにどんな人とでも仲良くなることができましたし、自分の意見を常に持つことができました。

英語力は就職活動の時にも大いに役立ちました。 筆記試験だけでなく英語での面接も多数あったのですが、難なくパスすることができ、英語をツールに今までの経験を活かしたいと願っていた私は、色んな業種で内定を頂く事が出来ました。 その時初めて、英語力とそれを通して得た様々な知識や経験が自分の未来の幅を広げたのだと気づきました。

最終的に私は客室乗務員の道を選びました。 1日で多い時には、2000人ものお客様に出会う刺激的な日々を送っていました。 日本人のお客様には、今まで自分が経験した事や知識を活かして、日本の方が望み好む、最高のサービスを提供する様に努力し、外国人のお客様とは、英語を使って観光のアドバイスや、その方の出身国の話で盛り上がり、旅の良い思い出作りが出来る様に努力してきました。 今までの海外での多くの経験が、日本人の特性を見つける良い機会にもなりましたし、人種によっての傾向もある程度分っていたので、非常に役に立ちました。

現在は主人の転勤に伴いブリュッセルに在住しています。 フランス語圏での生活は初めなので、フランス語の語学学校にも通っています。ただ、ご存知の通りブリュッセルと言えばEU本部のある街です。そのため、ベルギー人だけでなくヨーロッパ中の人々が暮らす場所でもあるのです。 スーパーでの買い物、病院、習い事など普段の生活では英語が話せると何ら問題無いのです。 子供をローカルの学校に入れない限り、フランス語はあまり必要ないと言っても過言ではありません。

また、EU本部に勤める知人によるとEU内での共通語も英語だそうです。 英語はアメリカやイギリスでしか使わないと思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、英語圏外の方々の間での共通語は英語なのです。ネイティブでない方々も必死に勉強して英語を話していらっしゃいます。正直ベルギーに住んでみて、改めてどうして日本人はこんなに英語に弱いんだろうと思い、落ち込みました。他国の人たちは、日常会話を楽しむレベルというよりも、個人の意見を確実に伝えられるレベルの英語力を皆さん習得しています。

ベルギーに住んでみて、英語を話せる事は全世界の人々とコミュニケーションが取れるということを改めて実感しました。そこで私は長男にとって、少しでも世界が広がって欲しいと願い、フランス語主体のローカル校ではなく、British Schoolにて英語で学習する事を勧めました。勿論、最初の1年は本人も親も大変でした。まずは人の真似をして会話してみることを長男にアドバイスして、徐々に彼のスキルが上がり、今ではEAL(英語の補習クラス)を抜けて、他のネイティブの子供達と一緒にフランス語クラスも受けられるようになりました。 そのため、ヨーロッパのどこの国に旅行しても、英語で現地の方とコミュニケーションが取れること喜びを長男は実感しています。

英語の大切さを改めて感じた今、私も英語の文法クラスに通い始めました。 自分の持っている会話力に更に単語力や正しい文法力を加えて、楽しむレベルから社会で使えるレベルに向上させたいと努力しています。 いつかきっと、この努力によって、新しい道がまた開けると信じてやみません。

最後に、一言。 皆さんも、できるだけ早く、英語の大切さに気づき、生の英語に触れ、自分の可能性を広げることができればと、心より願っています。

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